Impression

プレイ後の勝手な感想です。

このゲームは、ちゃんとプレイすると次第に面白くなって行きますが、奈何せん、出だしの印象が良くありません。 ドンヨリと圧し掛かるような空や風景、鳥がギャーギャー鳴きわめく沼地を一人ジャブジャブと歩き回らなければならないなど、スタート地点周辺が暗く陰気で、プレイヤーが欲するワクワク感がありません。

また主人公もルックスや設定がやたらと地味で、まるで敵キャラそのもの。性格もどちらかと言えばガサツです。正直に言って、しょっぱなの印象は…「なんね!この痩せぎす・ガニ股・スキンヘッドのどんくさいおっさんは?」という感じ。ぜんぜんヒーローらしくありません。

日本で受け入れられなかった(多くの人がすぐに放り投げた)一番の理由と思われます…(^ ^;

ところが、進めば進むほどグラフィックは美しく音楽も絶妙、そして徐々に難しくなっていくアクションや謎解き。何でも最初からバカにしちゃあいけませんね。改めてプレイしてみようという人は、まずスタートからレベルが1つ2つアップするまでは我慢しましょう!

次第にシャドウマンがカッコ良く見えてきます。

かなりクセがあり好き嫌いは分かれると思います。しかし、Tomb Raiderとはまた別の爽快感と緊張感があり、特徴あるリアルでド迫力のグラフィックには威圧感すら覚えます。メカニックな建物などが一切出て来ない点もグッド。装飾や建物・風景も古めかしく神秘的です。

Temple of Prophecy

Temple of Prophecy

~広大なマップ・謎解きと探索に満ちた長い道のり~

また、見えているのに取り方がわからないアイテム、ルートがあるとわかっているのに開け方がわからない扉、巧妙に隠された隠し部屋、時間制限付きの仕掛けなど、まさしくTR的要素が満載です。一方、マップの構成、成長システム、武器の使い方などは独特です。

マップはステージごとに途切れていない為、半端じゃなく広い。アイテムや目的の仕掛けを求めて思い切り駆け回れること請け合いです。またレベルアップに応じて新しいアクションが増え、外見まで変化したり、武器と思っていたアイテムに意外な使い道があったりします。

連続技のような複雑なアクションは出てきませんが、代わりにごく稀にしか成功しない特殊なジャンプやマニュアルにない動作もあり、技やアクションだけでも結構楽しむことができます。

さらに、このゲームには攻略とは無関係のアイテムはほとんど出て来ません。つまり、難しい謎解きもすべて解いて行かないと、最終的にクリアできないわけです。

そんな具合で相当攻略のしがいがあり、TRファンとしては堪えられません。率直な感想は、いったいいつ終わるやら…、と思うほどボリューム感があります。

プレイヤーがはまる要素は十分ですが、惜しむらくは、同じような作りの建物やトラップ、仕掛けが多く出てくるので、後半でまわりの景色に少し飽きてくるのが欠点。もちろんゲーム・バランスやキャラクター・エンジンの出来はトゥームの比ではありませんが、敢えて比べるなら、マップの広さと難易度ではシャドウマンの勝ちといったところでしょうか。

Update. 2020. 4.10

Difficulty

[難点です]
  • いくつかあるので書き出しておきます。

  • 1)PCローカライズ版のシステムトラブル
    「SHADOW MAN」(V1)PC版は、英語以外のローカライズ版をインストールするとPCにシステム・トラブルが発生するとの事です。以前あった開発チームによるパッチ提供が今は無く、対処法がありません。英語版なら問題ありません。

  • 2)敵AIのバグ
    他のゲームでも時々見られるバグの一種です。敵AIが、たまに何かに引っ掛かったようになり、移動せず同じ動作を繰り返すようになります。プレイする上では邪魔になりません。シャドウマンも、ルートとは無関係の場所をウロウロほっつき歩いていると同じ状態になり、制御不能になる事があります。ごく稀に、脱出不可能なポリゴンの奈落へ落ちる事も。その場合はテディベアでルートへ戻ってください。

  • 3)3D酔い
    FPSではなく三人称視点です。さらにカメラコントロール機能があり、プレイ中に視点をぐるりとパンさせることができます。TRと同じような視点距離にもできますし、真横から見ることもできます。ただし慣れないうちにちょこちょことカメラ位置を変えていると酔います。ご注意ください。

  • 4)シャドウマンは坂道が苦手(?)
    これもバグの一種でしょうが、特にデッドサイドで、シャドウマンの足元が安定しなくなる事があります。何度も同じ道を行ったり来たりしていると、前進キーを押しているのに勝手に横滑りしたり、氷の上を歩いているような状態になります。 傾斜は特に、わずかな角度でも押し戻されなかなか前進出来なくなる事があります(常にではない)。 これが起きると、崖にはりついた足場など、ポリゴンの壁に沿ったルートはほぼ進めなくなり、実際の人間で言うと30mぐらい押し戻される事もあります。
    この現象が起きた時は、一度死ぬか、別ステージへジャンプすると直ります。
    また、マシンによってはこの現象が出ないケースもあるようです。

  • 5)常に敵が復活する
    そのステージで一旦倒した敵が、別ステージへ移動して戻ってくると復活している。なんせ相手は元々死人なので…。幸い中ボス以上はその例ではありません。 とは言え、最初はこれが結構面倒です。しかしその都度、戦闘に必要なアイテムを稼げるので、慣れれば苦にならなくなります。



「ShadowMan 2 Second Coming」

SHADOW MAN (V2)「ShadowMan 2 Second Coming」についても一言添えておきます。
2作目であるこのタイトルは2002年にリリースされました。3作目はありません。

◎多数のキャプチャ画像>ShadowMan 2 Second Coming : GAME SPOT

私は、UK版対応のPS2(2機目)をわざわざ“お取り寄せ購入”してプレイしましたが、残念な事に、全体的にひどく物足りなさを覚えながらクリアしました。

トラップその他の仕掛けなどが一作目よりも確かにダイナミックになり、変わらず美しいグラフィックも見応えは十分です。ただ言える事は、全ての戦闘シーンに共通して大事な何かが欠けており、また1作目が持つドラマティックなストーリィ背景がぼやけてしまいました。
本作品は、米国ではパッケージ版が1$で売られているケースもあるなど、それらの販売価格がプレイヤーによる評価を物語っています。当ホームページでも今のところ取り上げる予定はありません。

そしてもう一つ…。 人にはそれぞれ好みがあるので一概には言えないでしょうが、ただやはり、ゾンビ戦士は肉体派の大男よりも、“ガリガリの痩せっぽち”が正解ではないでしょうか(笑)

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